前編のあらすじ
俺の名は成田竜。「モンテール 大阪発スイーツ開発部」のリーダーだ。
俺は今、作曲家のキダ・タローさんが大阪の人々に愛される秘密を探るため、キダさんの事務所に電話している。
・・・って、やけに説明はしょったけど、詳しくは前編を見てね。
「・・・というわけでキダ・タローさんが大阪の人たちに愛されるワケを知りたいんですが・・・」
「ほお、そんなアンケートをやったんですか・・・。ああ、キダでしたら来週、市内のレコーディングスタジオにいますから直接本人にお聞きください」
ええええーーーーー!
聞いちゃっていいんですかーーーー??? ΣΣ( ̄◇ ̄;)
そういうわけで、やってきたのは大阪市内某所のレコーディングスタジオ。
ここに浪花のモーツァルトがいるのか!
緊張するな―。
鋼鉄の重い扉を開けると・・・
!!!
ほんとにいたー!!!!
興奮を抑えながら、まずは自己紹介。
成田竜と申します。ドラゴンと呼んでください。
あのー突然のお願いですみません。
「成田さんね。よろしく」
うおー!!!
キダ・タロー先生に名前呼ばれちまったよ!!!
「浪花のモーツァルト」のキダ先生にお会いできて感激ですっ!
「僕、モーツァルトって呼ばれてるけど、ほんまはモーツァルトよりショパンが好きやねん」
えーー (゜o゜! そうなんですか!?
でも、その2人が生きた年を足しても、キダ先生のお年には及びません。
もう、モーツァルトもショパンも超えちゃったんじゃないですか?
「浪花のショパンて呼ばれるように頑張ってるんやけどね」
私たちも浪花で認められるよう、頑張ってます。
東京のスイーツメーカー『モンテール』って言うんですが、ご存じですか?
「いや、知らんなあ」
○| ̄|_
・・・こういうシュークリームとか、作ってるんですが・・・
「あ、これ知ってるわ! よう食べてます」
ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ
ほんとですか!! ありがとうございます!
僕たち、今大阪で新商品のスイーツを開発してるんですけど、絶対成功させたくて。どうしても大阪の人々に愛されるスイーツをつくりたいんです。
「ほうほう、なるほどね。僕もシュークリームとかバウムクーヘンとか甘いものは大好き。シュークリームいうのは僕にとっては夢の食べものです。大きい夢のあるスイーツをつくってほしいなあ思いますね。頑張ってください」
ありがとうございます!
先生の言葉を胸に頑張ります!!
田中 「わかった!」
・・・・何が?
「キダ先生の曲は、たしかにリズムやメロディーが親しみやすくて印象に残る。でもそれだけじゃなかったんだ。この優しさが、大阪の人々の心をとらえるんだ!」
なるほど!
大御所、大先生と呼ばれる方でありながら、気取らない、気さくなお人柄。
初めてお会いしたのに、メンバーの一人ひとりに声をかけてくださって、包み込むような“愛”を感じたぞ!
そう、「愛」だ!
われわれが求める「大阪発スイーツ」には、「愛」が不可欠なんだ!
ここで井根がとんでもないことを言い出す。
「先生、わたしがんばります。だから、わたしたち開発部の歌をつくってください」
(゚0゚)
(゚o゚;)
( ̄O ̄;)
いくらキダ先生が優しいからって、そりゃ甘えすぎだろーーー!
恐れ多い!
なんとも恐れ多い!!
「うーん。そうか。
普段はこういうことはしないんやけど・・・。
わかった。特別やで。そのかわり絶対おいしいスイーツを作ってくれよ」
うわああああああ!!!
まさかのOK!
ありがとうございます!ありがとうございます!
もう1回言わせてください。
あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す!!ヽ(^o^)丿
興奮冷めやらぬままキダ・タロー先生のもとを後にした。
なんと歌を作ってもらえるとは・・・!
「歌詞を持っておいで」
とのことだったので、次回は歌詞を持っていこう。
「いやぁ、感動したなー。あのオーラは、さすがだな」
田中先輩も感激しきり。
たしかに、大阪の人たちに愛される理由がよくわかった。
「浪花のモーツァルトか。ほんとうに素晴らしい・・・・」
しかしここで吉野が俺の言葉をさえぎる。
「りゅうちゃん、キダ・タロー先生は確かに浪花のモーツァルトよ。でもこのキャッチフレーズには続きがあるって知ってる?」
ん?続き?
「浪花のモーツァルト」に続きがあるのか!?
「キダ・タロー、浪花のモーツァルト。だがもし彼がモーツァルトより先に生まれていたら、モーツァルトのほうが『ウイーンのキダ・タロー』と呼ばれていたであろう」
なるほど! 音楽史をくつがえすほどの「世界のキダ」っていうわけだな!
ところで・・・
そんな偉大な先生に作っていただく曲の・・・
歌詞、どうしよーーーーーーー!!!!