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大阪の人々に愛される秘密を探れ!
もしくは、キダ・タローさんとの邂逅(後編)

 
  • 2014.08.12

第5話 大阪の人々に愛される秘密を探れ!もしくは、キダ・タローさんとの邂逅(後編)

前編のあらすじ

俺の名は成田竜。「モンテール 大阪発スイーツ開発部」のリーダーだ。
俺は今、作曲家のキダ・タローさんが大阪の人々に愛される秘密を探るため、キダさんの事務所に電話している。

・・・って、やけに説明はしょったけど、詳しくは前編を見てね。

浪花のモーツァルトとの出会い

「・・・というわけでキダ・タローさんが大阪の人たちに愛されるワケを知りたいんですが・・・」

「ほお、そんなアンケートをやったんですか・・・。ああ、キダでしたら来週、市内のレコーディングスタジオにいますから直接本人にお聞きください」

ええええーーーーー!
聞いちゃっていいんですかーーーー???
 ΣΣ( ̄◇ ̄;)

そういうわけで、やってきたのは大阪市内某所のレコーディングスタジオ。
ここに浪花のモーツァルトがいるのか!
緊張するな―。

鋼鉄の重い扉を開けると・・・

!!!

ほんとにいたー!!!!

興奮を抑えながら、まずは自己紹介。

成田竜と申します。ドラゴンと呼んでください。
あのー突然のお願いですみません。

「成田さんね。よろしく」

うおー!!!

キダ・タロー先生に名前呼ばれちまったよ!!!

「浪花のモーツァルト」のキダ先生にお会いできて感激ですっ!

「僕、モーツァルトって呼ばれてるけど、ほんまはモーツァルトよりショパンが好きやねん

えーー (゜o゜! そうなんですか!? 
でも、その2人が生きた年を足しても、キダ先生のお年には及びません。
もう、モーツァルトもショパンも超えちゃったんじゃないですか?

「浪花のショパンて呼ばれるように頑張ってるんやけどね」

私たちも浪花で認められるよう、頑張ってます。
東京のスイーツメーカー『モンテール』って言うんですが、ご存じですか?

「いや、知らんなあ」

○| ̄|_

・・・こういうシュークリームとか、作ってるんですが・・・

「あ、これ知ってるわ! よう食べてます」

ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ

ほんとですか!! ありがとうございます!

僕たち、今大阪で新商品のスイーツを開発してるんですけど、絶対成功させたくて。どうしても大阪の人々に愛されるスイーツをつくりたいんです。

「ほうほう、なるほどね。僕もシュークリームとかバウムクーヘンとか甘いものは大好き。シュークリームいうのは僕にとっては夢の食べものです。大きい夢のあるスイーツをつくってほしいなあ思いますね。頑張ってください」

ありがとうございます!
先生の言葉を胸に頑張ります!!

大切なのは「愛」だ!

田中 「わかった!」

・・・・何が?

「キダ先生の曲は、たしかにリズムやメロディーが親しみやすくて印象に残る。でもそれだけじゃなかったんだ。この優しさが、大阪の人々の心をとらえるんだ!」

なるほど!

大御所、大先生と呼ばれる方でありながら、気取らない、気さくなお人柄。
初めてお会いしたのに、メンバーの一人ひとりに声をかけてくださって、包み込むような“愛”を感じたぞ!

そう、「愛」だ!
われわれが求める「大阪発スイーツ」には、「愛」が不可欠なんだ!

ありがとう、キダ・タロー先生

ここで井根がとんでもないことを言い出す。

「先生、わたしがんばります。だから、わたしたち開発部の歌をつくってください

(゚0゚)

(゚o゚;)

( ̄O ̄;)

いくらキダ先生が優しいからって、そりゃ甘えすぎだろーーー!

恐れ多い!
なんとも恐れ多い!!

「うーん。そうか。
普段はこういうことはしないんやけど・・・。

わかった。特別やで。そのかわり絶対おいしいスイーツを作ってくれよ」

うわああああああ!!!

まさかのOK!
ありがとうございます!ありがとうございます!
もう1回言わせてください。

あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す!!ヽ(^o^)丿

新たな課題が発生! 続報を待て!

興奮冷めやらぬままキダ・タロー先生のもとを後にした。
なんと歌を作ってもらえるとは・・・!

「歌詞を持っておいで」

とのことだったので、次回は歌詞を持っていこう。

「いやぁ、感動したなー。あのオーラは、さすがだな」
田中先輩も感激しきり。

たしかに、大阪の人たちに愛される理由がよくわかった。

「浪花のモーツァルトか。ほんとうに素晴らしい・・・・」

しかしここで吉野が俺の言葉をさえぎる。

「りゅうちゃん、キダ・タロー先生は確かに浪花のモーツァルトよ。でもこのキャッチフレーズには続きがあるって知ってる?」

ん?続き?
「浪花のモーツァルト」に続きがあるのか!?

「キダ・タロー、浪花のモーツァルト。だがもし彼がモーツァルトより先に生まれていたら、モーツァルトのほうが『ウイーンのキダ・タロー』と呼ばれていたであろう」

なるほど! 音楽史をくつがえすほどの「世界のキダ」っていうわけだな!

ところで・・・

そんな偉大な先生に作っていただく曲の・・・

歌詞、どうしよーーーーーーー!!!!